
第一章のニューヨーク編と時系列が前後し、草間彌生さんの幼少期の壮絶な体験が書かれている。
家庭の問題、親との不和、社会の抑圧…
それらに端を発する精神病。
辛く荒んだ心を癒すために描き始めた絵。
草間彌生さんの原点が、こんなにも辛く壮絶なものとは知らなかった。
感想
本章の感想です。
精神病を発症
親との不和(虐待?)により、精神病を発症してしまう。
- すみれの花が人間の顔に見える
- 動植物が話しかけてくる
- 幻覚・幻聴が見える、聞こえる
メルヘンな世界を想像したが、決して優しい世界ではない。
恐怖心から自分の心を守るために、見たものをスケッチブックに描いていたそう。
スケッチブックに描くことで心を静めていく。
男根のオブジェを創っていた理由と同じ。
草間彌生さんの芸術の原点は幼少期にあったのだと実感。
カボチャ
草間彌生さんの代表作、カボチャとの出会いも幼少期。
カボチャは容姿が醜い男性を罵る際に使われる言葉。
(唐南瓜野郎)
でも草間さんはカボチャの愛嬌ある姿、精神的力強さに魅了される。
自画像と称してカボチャの絵を描いたことからも、草間さんはカボチャと自身を重ね合わせていたのかも…
感想まとめ
草間さんの壮絶な幼少期が書かれた章。
荒れた家庭環境や抑圧により、離人症という精神病を発症してしまう。
日々苦しみや恐れと戦い、自殺まで考えたという幼少期。
幼き少女にとってどれほど辛いものなのか…
想像に絶する。
自身を救う手段となったのが芸術を作ること。
柵から広大な世界へ飛び立つための手段。
草間彌生作品の原点、鋭い感性の根源が垣間見える章でした。