書影

水墨画を題材にした小説と聞いて興味を持った本。

自分が知らない世界について知りたいと思い予約。

感想

本書の感想。

自然の美しさを感じる

お手本の春蘭を何度も何度も複製する主人公。

ある時植物園にいき、実物の春蘭を目にする。

実物の春蘭はとても美しい。

葉っぱ一枚一枚の曲線にも美がある。

 

水墨画をやることで、自然の美しさを理解することができるシーン。

 

なるほど。

対象物の美しさを再発見できるのも水墨画の魅力なのか。

水墨画をやってみようかな

水墨画でなくていいけど、絵を習ってみたくなった。

 

水墨画を学んだ主人公が達人とその弟子の技量の差に気づくシーンがある。

水墨画を学ばなければ、技量差は分からなかったという。

 

この前、草間彌生美術館に行ったとき
絵の素晴らしさが全く分からなかった。

 

技術的にも表現的にも全くすごいと思えない。

ただの落書き?としか思えない。

そんな自分が恥ずかしい。

 

絵を学べば、少しは凄さが理解できるかなぁ。

それともこんな動機では不純?

主人公について

たまには読書ブログらしいことも書こう。

 

主人公は2年前に両親を不慮の事故で亡くしてしまう。

それ以来、人と関わることを避け自分の内側に引きこもりがち。

水墨画に出会い、移り変わる自然を通じて時間は流れていくことを感じる。

水墨画を通じて、世の中の美しさに気づき、生きようという意志を持つ。

同時に両親の死も過去の出来事、と自分の中で折り合いをつけることができた。

 

物語の終盤で主人公が菊の花を通じて、生命の美しさ儚さ、一瞬の輝きを掴むシーンは少し感動。

同時に羨ましくも思う。

祖母を亡くし、どことなく陰鬱な感情を持っている自分。

両親を亡くして塞ぎ込んでいる主人公。

 

主人公に自分を投影させていたのかもしれない。

そして両親の死を乗り越えられた主人公が少し羨ましい。

 

 

引用

本書で参考になった部分の引用です。

 

才能はね、この煙みたいなものですよ。

普段当たり前にやっていることの中に、才能ってあるんですよ。

自分には才能がないから…

という理由で挑戦をやめがち。

やりたいことがあれば、何にでもなれるもの

という言葉に背中を押される。

 

失敗することが楽しければ成功した時はもっと嬉しいし楽しいに決まってる。

失敗することも当たり前に許される世界。

どんなに失敗してもいい、純粋にその行為自体が楽しい。

それこそが天才の感覚だそう。

 

確かになー、失敗すらも楽しめたらどんなにいいだろう。

また失敗を許せる、そんな人にもなりたいと思う。

絵画であるにも関わらず、着彩を徹底的に排している

水墨画の最大の特徴にして、他の絵との違い。

色がない、黒と白しか紙上には存在しない。

にも関わらず真っ赤な薔薇や透き通る空の色が映し出される。

水墨画は人間の事象の外側を描くのではなく、内側を表現するものだという。

 

分かったような分からないような…

水墨画って奥が深いなぁ。

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